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明暗 / Meian

by Jundo

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1.
懐かしい道を 青葉が揺れる 遠く忘れていた 土のぬくもりを 小さな頃には 見上げるだけだった この梢にも ひとり手が届く 夏空 青く抜けて 山並み 彼方遠く 不意に目の覚めるような 明快な線を描く あいの始まりを知りたくて ずっと追いかけた 飛び立つ鳥を むき出しの道を 樹々の根よけて 少し汚れてきた 靴の紐なおし 小さな頃には 夕立を待ちわびて それも今じゃ 夢のまた夢か 夏草青くむせて 幾年の時を越える あなたの残してくれた 種を拾い上げた あいの始まりを知りたくて ずっと追いかけた 飛び立つ鳥を あいの始まりを その時を もっと確かめた 夏の匂いを
2.
旅のスタート 君のシークエンスにまたがっていこう 地図は捨てて 星の引力に導かれ 空を翔ける 僕のフレーズ 君のシークエンスに重ねてく 合図はやめて 波の本能に身をまかせ 空を描く 欲しがっていた それなのに うずくまっている 彩りを ほら抱いてやれ その世界が 顔上げて立ち上がる時まで 見知らぬスパイス こわがるうちは味わえない うまく言えない しびれるフレーバーに身はもだえ 空に浮かぶ 強がっていたあの人も 分かっている ほころびを ほら抱いてやれ その世界が 傷癒し 立ち上がる時まで 生まれた音も 喜びも 悲しみも この祈りも 呼びかけてやれ その世界が 顔上げて 歩き出す時まで まだ名もないけれど
3.
誘惑 甘く 恋は儚く 満月は高く 眠りは浅く こぼれた嘘を拭き残しては 何年先も染みは消えず 夜更けの戯れと 左手の別れを 天秤にかけたらそれは 釣り合うはずなくて ハルモニアー どこにいる どこにいる 欲望は果てしない 思い出は泡になって 濡れたまま待ったんだ 街はただ冷たいな 身勝手だね わかってるよ でもちょっとだけ やり過ぎじゃないか ムーンライト蒼く 頬を濡らす ベルベットを抱き寄せ 今を満たす 爪の先ほどの小さな火は 求め合う二人焦がす 夕方の別れと 左手のしるしを 天秤にかけたらそれは 釣り合うはずなくて ハルモニアー どこにいる どこにいる 欲望は果てしない 思い出は泡になって 濡れたまま待ったんだ 街はただ冷たいな 身勝手だね わかってるよ でもちょっとだけ やり過ぎじゃないか ハルモニアー お願いだ お願いだ ざわめきはとめどなく 仮初めの歌になって 濡れたまま待ったんだ あきらめてくれないか 身勝手だね 奪ってまで この辺で やめどきじゃないか
4.
なぜですか 二人は今日もすれ違い 砂のお城を壊さぬように 精一杯の悪あがきをするのです まだですか 夜明けは夜の向こう側で 誰の味方をすることもなく ただただ出番を待っています にじんだ月の光が あなたを照らす うつろに濡れた横顔 何より美しい なぜですか はじまりは いつもくだらないことで 絵本の小鳥を逃がさぬように 引き出しの奥へしまいこむのです またですか 痛みは夜にこだまして 膨大な数に増殖したけれど ついにはぶつかり合い星くずになりました にじんだ月の光が あなたを照らす 口づけたその瞳は 月より綺麗 うつろな夢の続きを あたためるうちに いびつな日々のワルツを 踊り続ける
5.
今夜はまんまる大きな月が出て ただならぬ気配に包まれているんだ 草木は穏やかな 夜露に濡れてる 虫の音は夜風と響きあう そんな時 ボクらは浮かれて ハイになって空をめざす けれども空は遠い まだまだ月も遠い ボクらは浮かれて ハイになって空をめざす けれども空は遠い まだまだ月も遠いね 街では何かとおもしろいことがあって いろんな出会いも数えきれないほどだよ 天使と悪魔も普段は仲良し ホンモノ ニセモノ 見分けがつかないんだ ボクらは浮かれて ハイになって空をめざす けれども空は遠い まだまだ月も遠い ボクらは浮かれて ハイになって空をめざす ビクビクしてきて 時々つつき合うんだ ただただ朝日に照らされて 生きましょう 爽やかな空気で満たされて 生きましょう ワガママなだけさ ボクたちみんなみんな ほどほどにしとこう 夜も明けることだし ワガママなだけさ ボクたちみんなみんな ほどほどにしとこう 夜も明けることだし ボクらは浮かれて ハイになって空をめざす けれども空は遠い まだまだ月も遠い ボクらは浮かれて ハイになって空をめざす けれども空は遠い まだまだ月も遠いね
6.
駅の階段駆け上がり いつもの改札走り抜け 動き出す列車に飛び乗るぜ 見慣れた景色流れてく みんなのお家並んでる 文句も言わず並んでる 口あけたlady 眠ってる イライラ紳士 叫んでる 川ではカモ ゆらりゆら いつだってダイヤは乱れてるのさ 置き去りの空き缶 いじけてた くしゃくしゃのティッシュ 椅子をとる 得体の知れない 水たまり 丘を越え 川を越え 林を抜け 町を抜け 私鉄は続くよ どこまでも 口あけたlady 笑ってる イライラ紳士 震えてる 釣り人の糸 たらりたら いつだって誰かが乱れてるのさ バンドマンがギター 抱えてね イライラ紳士と揉めている 川ではカモ ゆらりゆら このままずっと揺られてたいな
7.
淡い香りはいったい誰の思い出だろうか たどる道はまるで 見放題の映画みたい 公園の昼下がり 隣できらめく髪かざり いつまでも 見ていたい 永遠をめぐる舞台 忘れては見返すものがたり いつまでも 見ていたい エンドロールのとこも 最後まで 次のエピソードはもう 準備はできている 赤らめた果実は 誰のときめきなのか かさねる記憶は 夢のあとさきみたい 教会の鐘が鳴り 隣で微笑む花かざり いつまでも 見ていたい 分断とまらぬ世界 刻んでは繋げるものがたり その先を 見ていたい エンドロールのとこも 最後まで 次のエピソードはもう 準備はできている レッドカーペットを 優雅にね 次のスピーチはもう 準備はできている
8.
こわきに抱えたギター 古い 古い うた 夢にまぎれた手紙 探し出す こわきに抱えたラッパ 広い 広い 原っぱ 土に埋まってる化石 目を覚ます あぁ 昔の人の恋なんか 知りたくもないなんて さみしい さみしいじゃないか こわきに抱えたギター スウィング スウィング スウィング 今日もつま弾くポロポロポロロン こわきに抱えたギター 狭い 狭い 小屋 埃かぶった日記 読み返す 夜の思い出はビター 苦い 苦い 一杯 今ごろあの娘 どこにいるの あぁ 素敵な街にたどり着き 僕を忘れちゃうなんて さみしい さみしいじゃないか こわきに抱えたギター スウィング スウィング スウィング 今日もつま弾くポロポロポロロン あぁ 素敵な人と巡り合い 俺を忘れちゃうなんて さみしい さみしい さみしいじゃないか こわきに抱えたギター スウィング スウィング スウィング 今日もつま弾くポロポロポロロン とっくに冷めたよピッツァ 君はもう ひとり旅から帰ってこないの? 温めなおせよピッツァ Oh マルゲリータ ひとり旅から帰っておいでよ Oh マルゲリータ ひとり旅から帰っておいでよ Ohマルゲリータ ひとり旅から ひとり旅から ひとり旅から帰っておいでよ
9.
あけっぱなしの扉があるみたいだね 風 わたしの中に吹きこんでくる ヒュルヒュルヒュルル 風がないている ヒュルヒュルヒュルル あなた泣いているのかい この傘には小さな穴があいているよ 雨 わたしの中に染みこんでくる シュルシュルシュルル 空がないている シュルシュルシュルル あなた泣いているのかい なぜ やさしい言葉が在るのでしょう ただ あなたの中に書きこんでいくため クルクルクルル ころがる涙は クルクルクルル わたしが拾うよ クルクルクルル ころがる涙は クルクルクルル わたしが拾うよ ヒュルヒュルヒュルル 風がないている ヒュルヒュルヒュルル あなた泣いているのかい

about

"Meian" is the first album of Tokyo-based guitarist and singer-songwriter, Jundo and it is easy for one to tell he takes inspiration from a wide range of artists such as Bibio, James Taylor, Jeff Buckley, Chu Kosaka, Akiko Yano, Sakanaction and Tavito Nanao along with the literary works of Kobo Abe, Soseki Natsume, Sakutaro Hagiwara and Santoka Taneda.

ギタリスト/ソングライター/シンガー「Jundo」の1stオリジナルアルバム『明暗』。Bibio、James Taylor、Jeff Buckley、小坂忠、矢野顕子、サカナクション、七尾旅人らの音楽や、安部公房、夏目漱石、萩原朔太郎、種田山頭火らの文学に影響を受けたボーカルアルバム。ガットギター弾き語りからエレクトロポップまで振り切った多彩な楽曲群。

credits

released April 24, 2021

all songs written by Takashi Tsurumi (Jundo)
produced and recorded by Jundo

musicians:
Hiroyuki Sato さとうひろゆき
Keishi Kawauchi 川内啓史
Rio
Manami Morita 森田真奈美

mixed and masterd by Yasushi Yamaguchi 山口 泰(monk beat studio)
[except track 5 mixed by Jundo]

album cover by Rando Design

Kazaana Records 風穴レコード

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all rights reserved

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Jundo Tokyo, Japan

Tokyo-based guitarist/songwriter/singer.

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